美脚理論15 ~大腿筋膜張筋-腸脛靭帯の緊張~
『美姿勢』スペシャリストのさだです

前回の記事、美脚理論14 ~脛骨外旋症候群~の中で、膝下O脚をつくる原因の一つの要素として、今回のタイトルにある「大腿筋膜張筋-腸脛靭帯の緊張」をあげました。
みなさんも、腸脛靭帯がパンパンに張っていて、自分でマッサージする方いませんか?
クライアントさんにもパンパンに張っている人が多いと思います。
多くの方はこの腸脛靭帯をマッサージしてほぐそうとしてますが、本来腸脛靭帯は、名前の通り筋肉ではないので、腸脛靭帯自体をほぐしても全く何も改善しないのです。
なので、腸脛靭帯の緊張を取りたければ、「何が腸脛靭帯に緊張を与えているか?」というところを考えねばなりません。
腸脛靭帯につながっている筋肉をみると2つあります。
●大殿筋
●大腿筋膜張筋
このうち筋走行を見ると、腸脛靭帯に緊張を与えるのは大腿筋膜張筋のほうが要素が強いことがわかります。
つまり腸脛靭帯が緊張している人は、大腿筋膜張筋が緊張していることが考えられるということです!
では何故大腿筋膜張筋が緊張するのか?
筋肉が緊張するのは、そこを使っているからですよね
大腿筋膜張筋の機能は「股関節の外転、内旋、屈曲」です。
特に外転がメインの機能とされていますが、強力な屈曲・内旋筋としても働いています。
つまり他の外転筋がきちんと働いてくれていない場合に、強力な力を持つこの大腿筋膜張筋で、それらの動きをカバーし続けてしまうということなのです。
この時に考えられるのは、
●外転筋としてきちんと機能してない「中殿筋」の弱化
●メインの股関節屈曲筋として機能してない「腸腰筋」の弱化
の2大要素でしょう!
つまり、どんなに腸脛靭帯をほぐそうとしてもほぐれないのは、
「中殿筋」「腸腰筋」が弱化してうまく機能していないために、代償として大腿筋膜張筋が使われ続けているからなんですよね!!
ということは、改善するために何をすればいいかは簡単ですよね!
なまけているそれらの筋肉に刺激を与えて、もう一度機能してくれるようにトレーニングをしていくことが大事ということなんです!!
さて、大腿筋膜張筋-腸脛靭帯の緊張を改善する方法がわかったと思います。
では実際に、ここの部分の緊張がどんな歪みを身体に引き起こすか見てみましょう!
筋肉の配置を見てみると、大腿筋膜張筋-腸脛靭帯は骨盤の上から、脛骨まで続いており、骨盤・股関節・膝関節にかけて全般的に影響を与えます。

影響を及ぼすポイントとしては
・骨盤上部を外方へ引っ張る力を発揮する
・股関節を内旋させる(XO脚の原因)
・股関節を外転させる(O脚の原因)
・大腿骨に対して脛骨を凱旋させる
・足首の回内or回外
上記のようにかなり多くの歪みを引き起こす原因となっており、膝だけでなく足関節、股関節、骨盤にも歪みを引き起こす、とてもやっかいな存在だというのが理解できると思います。
うちの美脚メソッドにおいては、この部分の緊張をとることにはとても注力をしており、殿筋や腸腰筋、内転筋のトレーニングだけに留まらず、足部からの上行性運動連鎖のパターンでの動きを習得してもらい、確実にこの部分の緊張を取ることに成功しています。
エクササイズとウォーキング、そして日常生活でよく使われる動作パターンをクライアントさんが習得することにより、短期間で確実に美脚へと変化をとげていくということですね!
しかし、こういった部分の理論を知る事は、とても大事なことです。
各所で現場をみていても、普通に腸脛靭帯をマッサージしている姿をよくみます。
それ自体は悪くないのですが、何を目的として、それをしているのか?
そしてそれは本当に効果がでるものなのか?
というところを常に自問しながら、エクササイズを提供してもらいたいと思っています。
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