理論編⑩ ~インナーユニットの機能異常3~

    さて、今回はインナーユニットにおける「神経-筋リンク」の機能異常を起こす原因を紹介していきます。

    ここを知ると日常生活における生活パターンが非常に関与していることもわかります。
    原因は大きく分けると3つありますので、一つずつ説明していきますね^^

    まずはその原因となる3つの要素ですが、

    【インナーユニットに機能異常を引き起こす3つの要素】

    ■免荷(体重負荷の減少)
    ■損傷
    ■疼痛

    の3つとなります。


    今回はこの中の
    ■免荷
    に関して見ていきます。


    まずこの「免荷」と言われる状態ですが、これは
    体重負荷の低下
    中枢神経への重力および負荷に対する感覚情報の低下

    を指します。
    なので身体活動全体の低下をさす言葉ではないと理解しておいてください。


    「免荷」に伴う機能異常は長い時間をかけておこり、やがて関節損傷や疼痛として現れてきます。

    ではどのような変化がおきるのか?
    見てみましょう!

    神経筋の可逆性(適応性)
    まぁ、簡単に言うと、その状況に筋肉を適応させてしまうことです。
    「免荷」の状態は、体重負荷が少なくなることで、「抗重力筋」の機能低下・筋力低下を引き起こします。
    「抗重力筋」は関節保護も担当している場合が多いので、この機能異常は関節損傷による痛みを引き起こす原因となることが理解できると思います。


    筋の変化
    「免荷」」がもたらす最も明らかな機能障害の一つが「筋萎縮」です。
    さらに「免荷」における「筋萎縮」は主に単関節抗重力筋に見られる特徴があるのです!
    またその一方で多関節筋は「免荷」の影響を受けることがないとされています。


    感覚運動系の変化
    重力に対する固有受容器感覚(負荷刺激)の低下は、抗重力単関節伸筋に影響を及ぼすとされています。
    特に屈曲筋群よりも伸展筋群への影響が強くおこることが報告されています。


    ■「免荷」を引き起こす生活様式
    骨格への負荷を減少させる生活様式があります。
    ・免荷された立位、座位姿勢(ソファーなどでのリラックスした姿勢、屈曲姿勢の保持)
    ・体重負荷を低下させる環境(寝たきりや仕事環境)
    ・非体重支持エクササイズ

    sit3.gif  sit6.gif

    上の図をみてもらえればイメージできるのではないでしょうか?

    椅子に座った状態で、完全に椅子にもたれかかり、屈曲位姿勢が続いてしまいます。
    日常生活でもよくみるパタ-ンですね! 
    ソファーで座っているとよくこうなるので注意ですよね!

    特に脊柱屈曲位も最大屈曲位では脊柱起立筋は張力を発揮できず、伸ばされた状態が続きます。
    脊柱自体は棘上靭帯や棘間靭帯が伸ばされ弛んでいくとともに、脊柱起立筋自体にはクリープ現象がおきて、その筋長自体が長くなってしまいます。
    こうして立派な猫背が完成していきます。
    だからこそ座る姿勢には注意しましょうね^^
    パソコン使っている姿勢などもかなり危険な姿勢で使いつづけることになりかねません。
    私も最大の注意を払って座っています!


    寝たきりはもちろん身体を支えることがないですから、どんどん機能低下していくことは想像に易いと思います。
    宇宙飛行士さんなどは、宇宙での生活はずっと非重力環境なだけに、陸上に戻ると一時的に立てなくなるくらい抗重力筋が衰えていくようです。
    だから意識しているとTVなんかでCKCエクササイズをやっているシーンなど見ることができます。



    非体重支持エクササイズでおこる?と思われた方もいるのではないでしょうか。
    まず非体重支持エクササイズとは何なのか、ですが、
    「速いバリスティックな反復活動を含むスポーツや職業スキル」などと思っていただければOKです。

    実は「動的なアウターユニット」を速いスピードで反復的に使うと、段階的に「抗重力姿勢保持アウターユニット」の使用の減少を起こすことが解っています。
    特にOKCでの運動は動的なアウターを優位にし、抗重力アウターを抑制することがわかっています。

    よく膝の痛みに対して内側広筋へのアプローチが有効とされています。
    この考え自体は正しいのですが、その改善アプローチとして
    ニーエクステンションなどで、OKCで行なっているところを多く見受けます。
    でもそれだと他の四頭筋が優位に働いてしまう上に、内側広筋の活動パターンに変化を起こしてしまいます。


    ~ワンポイント~
    内側広筋は、インナーユニットと同じ性質をもっており、膝の動きに対して常に保護的収縮を行なっているのです。しかしこれがON-OFF機能をもつ動的アウターと同じような働きに切り替わってしまうようです。


    OKCで「筋肉の収縮感を覚えさす」ことを行い、その後に必ずCKCエクササイズに切り替え、抗重力筋としての使い方を再教育する、というパターンを行なうことが重要になると思われます。




    ■免荷に対する予防・改善エクササイズの注意点


    免荷による現象がわかれば対応策は簡単にわかると思います。
    CKCエクササイズにて、体重支持エクササイズや擬似体重支持エクササイズをおこなわせて、抗重力筋に再び負荷刺激を与える。一方で多関節筋への負荷を減少させ多関節筋の活動を最小限に抑えさせます。

    そして大事なのは、この荷重情報を脳に伝える感覚メカニズムになります。
    つまり、関節や筋・健に含まれる「固有受容器」への刺激を正しく起こすことが重要になるということです。
    「固有受容器」への刺激は平坦な状況でのエクササイズよりも不安定な状況でのエクササイズのほうが大きいのです。
    ですから、ストレッチポールやバランスディスクなどの上で姿勢をニュートラルに保ち、姿勢保持エクササイズを行なうことが、機能改善に非常に有効となってくるのです!


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