肩甲帯バランスアップ1 ~シュラッグ アロー~

    みなさん、こんにちは^^
    ここからは、肩甲帯のバランスアップエクササイズの紹介です。

    下半身と違い、肩甲骨は胸郭に乗っかって、首に吊り下げられている存在です。
    なので、肩甲帯の調整は、前後左右のバランスアップを考えると効果的です。


    ただし、肩甲骨の位置は「胸郭が正しい位置」で安定していないと、きちんと制御できないため、必ず「胸郭の分離と安定」をつけた上で行うようにします。


    肩甲骨まわりの筋肉を考えると
    胸郭と肩甲骨をつなぐ筋肉
    肩甲骨と上腕骨をつなぐ筋肉
    胸郭と上腕骨をつなぐ筋肉

    の3つに分かれます。

    肩甲骨の位置はそれぞれのバランスが崩れると変位をおこしますので、しっかりと体幹を安定させ、この肩甲骨バランスアップパッケージを行うようにしてみてください。
    そうすれば、全体がうまく調整されていきます。


    【シュラッグ アロー】
    アローシュラッグ
    ■エクササイズ
    ①座位や立位にて体幹のニュートラルをキープ。
     インナーユニットの収縮は保ちます。
    ②胸骨柄を胸椎3番レベルまできちんと引き上げてキープ。
    ③体幹の安定を保ちつつ、肩甲骨を脊柱に引き寄せ、身体の後ろで腕を組みます。(肩甲骨内転・下方回旋位)
    ④肩甲骨の内転・下方回旋を保ったまま、肩を耳の後方にすくめて、降ろす(挙上・下制)を繰り返します。


    ■ポイント
    このエクササイズは、肩甲挙筋・菱形筋のコントロールを目的とします。

    肩甲挙筋・菱形筋の機能解剖は
    ■挙上・内転・下方回旋 です。
    肩甲挙筋は特に挙上に、菱形筋は内転に強く働きます。


    機能解剖を意識して肩甲骨の動きをコントロールします。


    ■アドバイス
    代償運動などのエラーパターンとして、以下の動きがよくでます。

    挙上時に肩甲骨が外転する
    ⇒肩甲骨の内転筋群が弱い。
    普段の挙上動作の際、僧帽筋上部線維を中心に使っている可能性があります。
    僧帽筋上部線維などは、「挙上・上方回旋」をおこします。

    このため、肩甲挙筋・菱形筋などが弱化しています。
    そのため、エクササイズ時は使う筋肉をしっかりと意識し、内転位を保って挙上を行います。


    体幹が反ってしまう
    ⇒肩甲骨内転の代償でに広背筋を使っている。

    広背筋が固いか使いすぎの可能性が考えられます。
    腕を後ろで組んでいるため、広背筋が非常に働きやすい状態になっています。
    しかし、腕を後ろで組む動きは、「肩甲骨の内転」で起こすように意識して行ってください。

    体幹は常にニュートラルに保つことで、肩甲骨周りの筋肉のバランスアップが図れます。


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    肩甲帯バランスアップ2 ~シュラッグ アームリフト~

    今回は僧帽筋上部繊維・下部線維をメインに鍛えるためのエクササイズを紹介します。


    しかし、前回のエクササイズも含め、より理解を深めるために肩甲骨の動きに関する機能解剖を少し紹介しておきます。


    【 最低限知っておきたい「胸郭⇔肩甲骨」をつなぐ筋の機能解剖 】

    僧帽筋は上部,中部,下部の線維があり、上部線維は挙上,下部線維は下制を内転と同時に行います。
    肩関節屈曲/外転において肩甲骨の挙上が不足している場合には、僧帽筋上部線維の活動が不十分である可能性があります。

    肩甲挙筋は肩甲骨を内転/下方回旋を行います。
    この筋は第1~4頸椎の横突起に付着しており、頸椎の回旋を制限しております。
    肩甲骨には上角に付着しているので、短縮すると肩峰部は挙上しないで上角部だけが挙上されます。
    僧帽筋とは回旋動作(上方回旋・下方回旋)で拮抗筋となります。

    菱形筋は肩甲骨を内転/下方回旋を行います。
    肩甲挙筋と類似しており、僧帽筋とも共同と拮抗の作用をもち合わせています。
    この筋は僧帽筋よりも優位に活動しやすいため、優位過多になると肩甲骨の上方回旋を妨げる可能性があります。

    前鋸筋は肩甲骨の外転/上方回旋を行います。
    前鋸筋は肩甲帯の主要な外転筋であり、この筋による肩甲帯の制御が不十分な場合には、可動域障害の原因となります。
    上腕骨の動きに対する肩甲骨の運動タイミング不良は、僧帽筋の問題と前鋸筋の問題とを識別することが大切です。
    どちらも上方回旋筋ですが、内転と外転では拮抗筋になるので、これらの動作に注意すると識別することができます。

    小胸筋は烏口突起を前方/尾側に傾けることによって肩甲骨を前方に傾斜させます。
    したがって小胸筋が短縮すると下角は内側に回旋し、肩甲骨の上方回旋は妨げられることになります。
    関連する因子としては、腹筋の短縮や硬化によって胸郭の挙上が制限される場合、その上方回旋の制限はさらに増悪します。




    えーと、ちょっと小難しい説明になったかもしれませんが、とりあえず最低限これらの筋に関しての知識は必要になりますので、是非お手持ちの機能解剖の本で調べてみてください。


    それでは本日のエクササイズ紹介です。

    【シュラッグ アームリフト】
    ミリタリーシュラッグ
    ■エクササイズ
    ①座位や立位にて体幹のニュートラルをキープ。
     インナーユニットの収縮は保ちます。
    ②胸骨柄を胸椎3番レベルまできちんと引き上げてキープ。
    ③体幹の安定を保ちつつ、肩甲骨ニュートラル。上肢を挙上位(肩関節屈曲180度)でキープします。
    ④肩甲骨を上方回旋位に保ったまま、肩を耳の後方にすくめて、降ろす(挙上・下制)を繰り返します。


    ■ポイント
    このエクササイズは、僧帽筋上部線維・下部線維のコントロールを目的とします。

    僧帽筋上部線維の機能解剖は
    ■挙上・内転・上方回旋 です。

    僧帽筋下部線維の機能解剖は
    ■下制・内転・上方回旋 です。

    ただし、上方回旋時は「前鋸筋」の働きにより、外転方向にも肩甲骨が引っ張られますので、エクササイズを内転位でおこなう必要はありません。

    これらの機能解剖を意識して肩甲骨の動きをコントロールします。


    ■アドバイス
    代償運動などのエラーパターンとして、以下の動きがよくでます。

    上肢の屈曲180度が保てない。
    ⇒広背筋が固い
    ⇒小胸筋が固い
    ⇒僧帽筋上部が弱い
    ⇒僧帽筋下部が弱い
    ⇒前鋸筋が固い・弱い

    などが考えられます。

    このエクササイズをやっていると、10回くらい挙上⇔下制を反復すると、
    多くの人が腕が頭より前に出てきます。

    やはり肩甲骨周りの筋バランスが崩れているためなので、
    きついですが、
    ・腕の位置をキープしたまま、
    ・肩甲骨が背骨から指3本分くらいの間を保ったまま、
    エクササイズを行うようにしてください。



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    肩甲帯バランスアップ3 ~スキャプラローテーション~

    今回は肩甲骨の上方回旋・下方回旋をきちんと引き起こすためのトレーニングをご紹介します。

    まずは上方回旋に関わる筋肉たちですが、
    僧帽筋上部線維
    僧帽筋下部線維
    前鋸筋

    になります。


    次に下方回旋に関わる筋肉たちですが、
    菱形筋
    肩甲挙筋
    小胸筋

    になります。


    これらの筋のバランスが崩れることで、肩甲骨の動きにエラーが起きます。
    有名なのに「肩甲上腕リズム」とかありますよね。
    結構動きが崩れている人多いんですよ(-_-;)

    肩甲骨の動きをしっかりとみて、きちんとエクササイズを誘導するようにしてください。



    【スキャプラローテーション】
    スキャプラローテーション
    ■エクササイズ
    ①座位や立位にて体幹のニュートラルをキープ。
     インナーユニットの収縮は保ちます。
    ②胸骨柄を胸椎3番レベルまできちんと引き上げてキープ。
    ③体幹の安定を保ちつつ、両手でもったスティックを頭上にあげてキープ。
    ④肩甲骨を下制させつつ、スティックを背中に引き降ろす。(下方回旋)
    ⑤肩甲骨が挙上しないように、スティックを頭上に引き上げる(上方回旋)


    ■ポイント
    このエクササイズは、肩甲骨の上方回旋に関わる筋肉、下方回旋に関わる筋肉のコントロールを目的とします。

    肩関節屈曲180度の上方回旋の最終域では、肩甲帯はわずかに挙上します。
    まったく挙上しないことはないので、この点は覚えて置いてください。
    ※正確には鎖骨がわずかに挙上・後方回旋、肩甲骨は下制・上方回旋してます。

    関与する筋肉は上で書いたとおりです。

    きちんと上方回旋ができていた場合、中腋下線まで肩甲骨の下角がきます。
    ここもきちんとチェックして、おきます。



    ■アドバイス
    代償運動などのエラーパターンとして、以下の動きがよくでます。

    上方回旋時に肩甲骨が挙上する。
    ⇒僧帽筋下部が弱い
    ⇒前鋸筋が弱い

    肩関節屈曲180度の上方回旋時に肩甲骨下角が中腋下線までこない。
    ⇒前鋸筋が弱い
    ⇒肩甲上腕関節がゆるい(ルーズショルダー)
    ⇒ローテターカフの弱化

    下方回旋時に肩甲骨が挙上する
    ⇒小胸筋が弱い

    下方回旋時に体幹が過度に伸展する
    ⇒広背筋の使いすぎ
    ⇒体幹の安定性不足

    などが考えられます。



    肩甲骨の上方回旋・下方回旋は、「肩甲骨⇔上腕骨」に関与する筋肉たちの問題も多く出てきます。
    機能解剖をしっかりと理解し、どこに問題があるかを見極める目が必要になります。

    難しいかもしれませんが、是非動きを見極める目を養ってください^^


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    肩甲帯バランスアップ4 ~ウインギング~

    今回は肩甲骨の内転・外転をおこなうエクササイズを紹介します。

    まずは内転・外転に関わる筋肉から覚えてください。
    これらがアプローチしている筋肉になります。

    肩甲骨の内転に関わる筋肉
    ・僧帽筋中部線維 : 内転  
    ・僧帽筋下部線維 : 下制・内転・上方回旋
    ・菱形筋     : 挙上・内転・下方回旋(挙上優位)
    ・肩甲挙筋    : 挙上・内転・下方回旋(内転優位)

    肩甲骨の外転に関わる筋肉
    ・前鋸筋  : 外転・上方回旋
    ・小胸筋  : 外転・下方回旋

    その他、大胸筋や広背筋の影響で内外転がおきることはありますが、基本的にはこれらを覚えておけばOKだと思います。

    これらに加えて、肩甲骨と上腕骨を結ぶ大事な筋肉たちである「ローテターカフ」にも同時に刺激を与えつつ、強化していくエクササイズがここで紹介する「ウインギング」です。



    【ウインギング】
    ウインギング
    ■エクササイズ
    ①座位や立位にて体幹のニュートラルをキープ。
     インナーユニットの収縮は保ちます。
    ②胸骨柄を胸椎3番レベルまできちんと引き上げてキープ。
    ③まず肘はミゾオチの高さにキープ。
     胸の前で肘と手の甲を合わせます。(写真左)
     このとき胸椎は軽く屈曲してもOKです。
    ④ここから腕の外旋をさせながら、胸を張るように腕を後ろに引いていきます。(写真中)
     何度か繰り返します。(肩甲骨の内・外転を繰り返す)
     肘の高さをミゾオチ⇒肩の高さ⇒唇の高さと少しずつ変えながら内・外転を繰り返します。

    ⑤上記エクササイズを繰り返した後、最後は腕の外旋位をキープしたまま、腕を天井方向に伸ばし、手の甲と甲を頭上で合わせます。そのまま外旋を保ったまま、肘がわき腹に当たるくらいまで腕を引きおろします。



    ■ポイント
    このエクササイズは、肩甲骨の内・外転を中心に、上方回旋・下方回旋、そしてローテターカフの強化を行っていきます。

    肩甲骨の内転に伴い、脊柱は軽く伸展を起こします。
    肩甲骨の外転に伴い、脊柱は軽く屈曲をおこします。

    動きが肩甲上腕関節でなく、きちんと肩甲骨におきているかをしっかりとチェックし、意識しておこないます。


    ■アドバイス
    代償運動などのエラーパターンとして、以下の動きがよくでます。
    肩甲上腕関節の動きが大きく、肩甲骨がきちんと動いていない。
    ⇒肩甲上腕関節がゆるいことが考えられます。
    この場合、ローテターカフを鍛え安定性を高めることが必要です。
    また同時に肩甲骨の動きを引き出す必要があります。
    胸郭分離から肩甲骨バランスアップを辛抱強く続けてください。

    肘と肘がくっつかない
    ⇒広背筋が固いor短縮している可能性が高いです。
    きちんとニュートラルを保ちゆっくりでいいので行ってください。
    上部腹筋を鍛え、広背筋に負けないように胸郭下部を安定できるようにエクササイズを組んでいきます。


    肘を曲げないと頭上で手の甲と甲がつかない
    ⇒広背筋が固いor短い
    広背筋は強力な筋肉であるために肩甲骨周辺の筋肉で打ち勝てない場合に起こります。
    肩甲骨周りの筋強化とともに、広背筋を筋長の短縮を改善していきます。

    ⇒肩甲骨の上方回旋がきちんとおきない。
    胸郭の可動性不足や上方回旋を引き起こす筋肉の弱化により、可動性が低下していることが考えられます。
    胸郭の分離運動を含め、肩甲骨周りの筋肉のバランスアップをしっかりと行います。


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